読書の話

突然だがあなたは月に(あるいは年間で)何冊ほど本を読むだろうか? あなたが多読家なら何十冊と答えるかもしれないし、そうでないなら精々数冊若しくは全然読まないと答えが返ってくるかもしれない。活字は嫌い、読書は好きだけど読むスピードが遅いから多読なんて無理、読み始めたら眠くなる、など理由は色々あるだろう。わたしは昔から本好きだったが読むスピードが遅く、今でも月に十数冊(それも一日中暇な期間で)ほどしか読めていない。

そこでわたしはもっと多読家になりたくて速読法の本やサイトを読んで勉強し、読書量を増やす方法を探した。その多くに書いてあったのが「本を読む目的」である。
わたしたちは何のために本を読むのか? 知識を得るためであり、意識を変えるためである。それを意識せず「本を読むこと」が目的になってしまい、ただ隅から隅まで文字を追う読書が増えてしまっているのだ。わたしはその典型例とも言える性格で、読み飛ばしや見逃しが許せないタイプだった。雑誌を読むのがとても苦手で、パラパラとめくって自分の興味のある部分だけさらっと目を通すという作業ができない。読書中も「これってなんだっけ?」とよく前の行に戻って一字一句読み返すことも数回ではない。1冊読むのに時間がかかるのも当然だ。

わたしが出会った読書法・速読法の本でおすすめしたいのが斉藤英治の『王様の速読術』。

王様の速読術

王様の速読術

100%の理解を求めるのではなく、「20%の時間で80%を理解する」こと。
この斉藤式読書法はプレビュー、写真読み、スキミングの三段階に分かれている。まず表紙や帯、目次、あとがきなどから本全体の雰囲気を掴み、見出しや図表、イラストや漫画などを中心にパラパラと中身を見て重要そうな部分とそうでない部分を見分ける。それから重要な部分(2割)を読んで本全体の8割を理解するというものである。これを1冊30分と決めて行う。(わたしのように)隅々までチェックしないと気がすまないという読み方は間違いであり、関心のない部分や不要だと思える部分をすっ飛ばす勇気を持つことが、全体を素早く理解するための近道となる。
他にも短時間である分野の知識を深めるための読書法や、浅く広く知識を得るための読み方、資格試験のための勉強法なども解説してある良本だ。是非手にとってみてほしい。